VR映像とは何か?単に立体映像が見られるものとか360°の写真だとか思っていたり、その映像をつくるのに高価な機材が必要だとか、難しくて理解できない世界だと思っている人が多いかと思います。
実は、2024年現在、高価な機材も必要なしに超高解像度画像を楽しめる時代が来ているのです。
このサイトはVRゴーグルを用いて立体写真や立体動画を視聴するためのフォーマットであるVR180について、比較的安価に超高解像度の静止画および動画を作成するためのノウハウを提供するためのものです。VR180とは前面の180°に立体画像を映し出すフォーマットで、前を見ていれば目の前にまるでそのものが存在するかのように人や風景を鑑賞することができるものです。通常の写真や動画と異なり、世界地図にある正距円筒図法(エクイレクタングラー形式)に変換したものが使われます。
VR180用カメラ:VR180といえば左右の2個のレンズが搭載されたCanonのRF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEレンズをつけたEOS
R5のような専用レンズもしくは専用機が、比較的高解像度(8k)で初心者でも使えることもあり、世界中のクリエーターに使用されています。ただ、高価であることと、小型ドーローンに載せることができませんし、画像のジオラマ化などのテクニックが使えないことや、安価にこの解像度を実現する方法がすでに存在することもあり、高い技術を持つクリエーターの中には他の機材を用いてさまざまなテストを行っている人もいます。
こういった左右の2個のレンズを持つVRカメラを用るのではなく、2台のカメラでリグを組んで撮影する方法を用いれば、非常に安く超高解像度(静止画12k、動画8k)が実現できます。そのため、静止画では一眼カメラと魚眼レンズのリグを用いたもの、動画ではアクションカムのリグを用いたものが技術を持つクリエーターに使われています。
2台のカメラで撮影するメリット:2台の一眼カメラでVR180写真を撮影すれば12k~16kもの超高解像度画質が得られ、肉眼で見るのと変わらないリアルな作品を作ることができます。また、比較的安価なカメラでも高解像度のVR180静止画、動画を作成できます。12kの静止画であれば、Canon
EOS R100のような安価な一眼カメラ2台で実現できますし、8k動画(60fps)の場合もDJI Action2のような安価なアクションカム2台で実現できます。また、実際の風景をミニチュア化したジオラマ風VR180写真・動画を作成できます。
ただ、今までは2台のカメラで撮影する際にはいくつか問題がありました。2台を同じ方向に向けることや、同期させるのが困難だったり、そもそもVR180用の画像への変換アプリが存在しなかったことなどですが、多くの部分はすでに解決しています。現在、2台のカメラを正確に同じ方向に向ける必要はありません。アプリケーションが左右の画像を球面に変換した後に遠景を完璧に一致させてくれるからです。一方で左右のカメラの同期は、同期機能のあるカメラを使わない場合、完全に解決されたわけではありませんが、アプリでほぼ同期をさせることを可能にしています。
VR180への変換アプリ:DaVinci Resolve、adobe premiere pro、Mistika Boutique、そしてフリーウェアの180Augen(静止画用)、180Kino(動画用)、180Kino2(動画用、ホバリング撮影ドローン用スタビライザー機能あり)などがあります。180Augen、180Kino、180Kino2はこのサイトからダウンロードできます。
VR180作品の公開サイト:現状で最善と思われるのはDeoVRです。8kVR180動画・写真を公開可能です。クリエーターはプレミアム動画を投稿することで収益も得られます。DeoVRはスタッフを含めてFacebookやRedditで運営方法についての議論が交わされることも多く、ユーザーの意思を反映する場合も多いです。メタが運営しているMeta
Quest Media Studioは、8kVR180動画を公開可能ですが、クリエーターは収益を得ることはできません。YoutubeはVR180動画を公開でき、quest3で視聴する場合に8kで視聴できます。ただし、quest2では8kの視聴はできません。また、画像形式の変換の際、球面ではなく多面体で近似しているためか、Youtube独特の歪みが生じます。さらに、VRの投稿をした場合に通常動画と同様の扱いになるため、視聴回数が低くなり、事実上収益化はできません。
視聴用機材(VRゴーグル、ヘッドセット):meta quest3、meta quest2、pico4、apple vision proなどを使うと良いでしょう。スマホを入れる形のVRゴーグルは、画質や使い勝手、使えるアプリの種類などからおすすめしません。今後、視聴に適したスマートグラスが登場し、VR180は一気に普及するでしょう。
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コラム
普通のカメラで撮影した写真をVR180画像に変換するアプリケーション「180Augen」およびVR180動画に変換するアプリケーション「180Kino」を公開中。ミラーレスカメラ、一眼レフカメラに魚眼レンズをつけたものやアクションカメラで撮影すれば、VR180画像・動画を作ることができる。もうVR180カメラが発売されなくても8k以上の高画質のVR180画像・動画を出力できる。